傑作ギャンブル映画トップ4

カジノ映画は本質的にリスクがつきものであるため、ドラマ性があります。キャラクターが堅実にプレイしているのを見ていても面白くありませんが、一攫千金を狙って命を懸け続けるのなら話は別です。

カジノ映画に出てくるプレイヤーは、引退前に最後の仕事をするベテラン捜査官のようなものです。賞金を貯金し、ニューヨーク北部で平和な隠遁生活を送るなんてことはほぼありません。

1.『ジャックポット』(1974年)

ロバート・アルトマンは『ジャックポット』の脚本を提出した際、ギャンブル仲間のビル(ジョージ・シーガル)と出会うギャンブラーのチャーリーを演じたいと思っていたそうですが、グールドが監督に「この人を演じたいとずっと思っていた」と伝えたところ、アルトマンは「君が演じるべきだ」と答えたという逸話があります。

チャーリーのギャンブル依存は深刻でしたが、ギャンブルに興味のないセガールとの共演により、のんびりとした魅力を発揮して大成功を収めました。

この作品は1970年代の王道ヒューマンドラマ映画ですが、2人の魅力のおかげで、素晴らしいバディコメディであると同時に少年たちの美しい友情を描けています。

  1. 『ギャンブラー』(1974年)

後に様々な悪事により訴えられているジェームズ・トバックは、自身のギャンブル依存を基に脚本を書きました。『ギャンブラー』(2014年のマーク・ウォールバーグ版ではなく、1974年のジェームズ・カーン版)のすごいところは、主人公がギャンブルに夢中になっているどころか、もはや破滅へと向かっているところです。

アクセルは苦境に陥るためだけに賭けを行い、「賭けの醍醐味は負けることだ」とすら語っています。少なくともギャンブラーにとっては危ういシナリオですが、アクセルを演じるカーンの演技により、アクセルの向こう見ずな行動にも納得してしまいます。

ちなみに、アクセルがしているのはスポーツベッティングではなく、ロシアンルーレットです。

3.『アンカット・ダイヤモンド』(2019年)

ソーシャルメディアで「こうやって勝つんだ」というジョークを目にするたびに、『アンカット・ダイヤモンド』のあのひどいシーンを思い出してしまいますよね。

このジョシュとベニー・サフディの心揺さぶるスリラー映画は、当然の如く高く評価されていますが、なぜ観ていてイライラするのかは語られません。それは、アダム・サンドラーが見事に演じたハワードが、完全に破滅するまでやめない救いようのないギャンブラーだからです。

『アンカット・ダイヤモンド』の良さは、病的な世界観に視聴者を引き込むハワードの魅力にあり、「ハワードならこの無茶をやり遂げることができるかもしれない」「もしかしたらこれで勝つのかもしれない」と思わせてくれるところでしょう。

4.『ハードエイト』(1996年)

ポール・トーマス・アンダーソンのデビュー作は、彼が制作した『コーヒー&シガレッツ:変な出会い』という短編映画の世界を踏襲しており、「ミッドナイト・ラン」でフィリップ・ベイカー・ホールが演じたシドニーというキャラクターが登場します。

新人映画監督だったアンダーソンにとっては大きな頭痛の種であり、権利を失いかけた作品でもあります(彼がタイトルを嫌っていることでも有名です)。しかし本作は彼の傑作には及ばないものの、見事なデビュー作であると言えます。

ラスベガスの裏社会で生きることを学んだ悲しく孤独な男が、自分の助けを必要とする人々に出会うまで、静かに控えめに生きていく姿を描きました。豪華な演出は『ブギーナイツ』の制作まで控えていたため、処女作に期待するほどの派手さはありませんが、純粋に感動的な作品となっています。また、この作品はラスベガスをリアルにうまく描いていますね。